絡ませたかった。
ただそれだけ。
***
今年も入学の季節が来た。
なぜかイケメンの集まる県立高校、王華高校でもたくさんの新入生たちが今年も入ってくる。
新入生たちは無事にオリエンテーションを終えて部活動見学へと移っていた。
県立とは言え、生徒が集まる学校だけに部活の数多くも規模も大きい。
数ある部活の中、家庭科部を見学する新入生がいた。
淡い水色の髪をした女子生徒と黒い髪をした女子生徒。
顔つきのよく似た2人は新入生たちの中でも噂になっている双子と言う間柄だった。
水色の髪をした少女はシロ、黒い髪の少女はクロと言った。
「さて、今日は簡単なクッキーを作って行こうか」
そう言ったのは家庭科部の部長だった。
部員もそこそこに、見学している新入生たちもそこそこにいる。
交流も兼ねて簡単なクッキー作りとしたようだ。
ちなみにお茶受け用のお菓子もクッキーなのは内緒である。
「そんじゃ、雪奈はそっちの1年生たちをお願いね」
「はい、部長」
どうやら上級生と新入生の組みを作って一緒に作るようだ。
そして一緒になったのは、あの双子達。
「2年の矢島雪奈です、よろしくね」
「シロです」
「クロって言います」
「「よろしくお願いします」」
声をそろえて言うシロとクロにうふふと雪奈は笑う。
さてさて、クッキー作りを開始した3人。
どうやら双子たちは初めてのお菓子作りだったらしく、たどたどしく材料を混ぜている。
「ゆっきな」
「あ、弥悠。巡回中?」
「そうそう。迷子の新入生が毎年出てるからね」
“風紀”の腕章をつけた女子生徒が廊下から調理室を覗いていた。
それに気付いた雪奈はお茶受け用のお菓子を持って傍に行く。
黒いポニーテール印象的なその女子生徒はどうやら雪奈の友人らしい。
雪奈からお菓子をもらってもきゅもきゅと食べている。
「ごっそさん」
「お粗末さま、巡回頑張ってね」
「あいよ。雪奈も頑張ってね、あそこ大騒ぎしてるから」
「え?」
弥悠に言われて新入生たちを見ると一緒に着いていた双子たちのテーブルに生地が思いっきり零れていた。
「えぇぇぇぇ!?」
慌てた雪奈は新入生たちのとこに行き、零れた場所をふき取り始める。
シロとクロは“ごめんなさい!”と声をそろえて謝る。
まさかな事件に雪奈は苦笑いだったが、また一から作り直すことにした。
もちろん、今度は傍を離れず一緒に。
シロとクロにとっての初めてのクッキーができた時、それは雪奈と双子たちが仲良くなれた時でもあった。
***
雪奈とシロちゃんクロちゃんが仲良くなれたらの妄想。
そのうち、しちかちゃんとかとも絡ませたいな…
おいも 2011年05月08日(日)14時09分 編集・削除
はわあわわあわ!なんて可愛いんざましょ…!!
まさかシロクロを出して貰えるとは思っていなかったので嬉しかったです~(*・ω・*)
部活見学&体験会での交流か~…うん、素敵!(・∀・〃)
ちょっと目を放した隙にタネをぶちまけるとは…なんという料理スキル…!←
雪奈ちゃんの母性を感じました(笑)
今後もこうした交流を通じてどんどんと仲良くなって、料理スキルもちょっとずつ上がっていけたらなぁと思いますw
ほのぼのとした風景、ありがとうございました~★
素敵な文に私の脳内妄想も加速する一方だぜ…!
では失礼しました♪