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カゲロウデイズ前(※流血、死ネタ注意)

じん(自然の敵P)さんの「カゲロウデイズ」を聞いてたら唐突に書きたくなったので。
いや、アルバムとか小説とかすごい売れてるらしいので、思わずアルバム買っちゃったのです。
個人的には空想(想像)フォレストと如月アテンションが好きです。
ぶっちゃけ1人称で書くのが久しぶりだった。
それと、自己満で書きました。解釈とかなにそれおいしいの状態ですw
あ、普通に血が流れてたりします。グロテクスってほどじゃないとは思うけど、苦手な人はそっと戻るを押したほうがいいと思います。
あと、オリキャラで展開してるのでそれも嫌な人は戻るを推奨。
続き


 それは、目も眩むようななんてことない夏の日のお話。


カゲロウデイズ


 高校も夏休みに入り、俺は雪奈と暑い日差しの中でエンジェルホーム近くの公園で話をしてから店へ向かうというのが最近の決まりだった。
 お互い、家から店までが近いということもあり、少しでも長く居たくて近くの公園で合流してから行くようになっていた。
 今日は8月15日、時間は午後12時半ぐらいを回っていたと思う。
「雪奈」
「里玖!」
 ブランコに乗り、黒い猫を抱えていた雪奈が嬉しそうに俺を見る。
 ブランコに乗って話をするのが最近の定番で、俺はいつものように雪奈の隣の椅子に腰かけた。
「どうしたんだ、それ」
「んー? 近くにいたから抱っこしてみた。かわいいでしょ?」
 “飼っちゃおうかな~”と楽しそうに話す雪奈は黒猫を撫でたり頬ずりしたりして、大人げないが少し悔しい。
「しっかし暑いよねー。こんな夏は嫌だな……」
「涼しいところに行くか」
「梨依音さんのところね! せっかくだからジンも……」
 雪奈が立ち上がった時、抱きかかえられていた黒猫が雪奈のもとから飛び降りて逃げだす。
「あ、待って」
 そのあとを追いかける雪奈。
 仕方なく俺も後を追いかける。
 公園の外にある横断歩道へ逃げた猫を追いかける雪奈。
 歩行者用の信号が赤に変わる。
「っ!! 行くなっ!!」
「えっ」
 俺の声に雪奈が振り返った瞬間、走ってきたトラックが雪奈に衝突した。
 あまりにもとっさの出来事に、簡単に飛ばされて地にたたきつけられる様を見ているしかできず、声すら出ない。
 叩きつけられた雪奈から赤いものが流れ出す。
 それが彼女の中で流れているはずの血だとわかったのは、漂う鉄の匂いだった。
「っ、雪奈! 雪奈!!」
 彼女の体を抱き起こし、彼女の名を呼び続ける。
 けれども応えなくて、どうすればいいのかわからない。
「う……うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」


「……っ!」
 胸苦しさに俺は眼を覚ました。
 運動したあとのような疲労感に俺は頭を振る。
 部屋の中は暗く、携帯の時間を見れば8月14日から日付が変わったばかりの時間だった。
(12時すぎ……あの夢はなんだったんだ……)
 目覚める前に見た夢が脳裏にこびりついて離れない。
 あんな夢、みたくもないのに。
(雪奈が、死ぬ夢なんて……)
 ジージーと外からセミの声がする。
 夜中は鳴かないものだと思っていたのが、その声がやけに耳について離れなかった。
 やがて時間は過ぎ、8月15日の午後12時半ごろ、いつものように公園で待ち合わせていた雪奈と合流する。
 彼女の膝には黒猫がいて、気持ちよさそうに撫でられていた。
「雪奈」
「里玖!」
 定位置であるブランコに座っている雪奈の隣に俺も座る。
 ふっと、真夜中に見た夢を思い出した。
「里玖、どうしたの?」
「……ん? なんだ?」
「今、怖い顔してた」
「いや、なんでもないさ」
 思い出した内容のせいなのか、どうにも怖い顔をしていたらしい。
 不安そうな顔をする雪奈の頭を撫でると、彼女は嬉しそうに笑ってくれた。
「しっかし暑いよねー。こんな夏は嫌だな……」
「涼しいところに行くか」
「梨依音さんのところね! せっかくだからジンも……」
 雪奈が立ち上がった時、抱きかかえられていた黒猫が雪奈のもとから飛び降りて逃げだす。
 その光景が、あの夢と重なる。
「あ、待って」
 追いかけようとする雪奈。
 その姿を見て、背筋がぞっとした。
「雪奈」
「り、里玖?」
 追いかけようとする雪奈の腕をつかみ、行かせないようにする。
 きょとんとする雪奈に、俺はいう。
「いかないほうがいい。嫌な感じがする」
「でもジンが……」
「野良よりもちゃんとした店で買ったほうがいい。今日は、こっちから行こう」
「変な里玖。でもたまには違う道もいいね」
 不思議がられたが、これでいい。
 いつも使う交差点をさけ、路地へと向かう。
 梨依音さんの店に行く途中、建設現場のそばを通った。
 その時、周りにいた人々は上を見上げて口を開いていた。
「里玖、あぶない!!」
 雪奈の声とともに前に突き飛ばされる。
 振り返れば、鉄柱が彼女の体を突き刺していた。
「きゃあああああああああああああああ!!」
「きゅ、救急車を呼べ!! 早く!!」
 周りの人々の悲鳴や叫び声が辺りに響き渡る。
 俺は今起きた出来事が理解できず、呆然とするばかりで。
「よか……た……」
 そう言った雪奈の顔は、どうしてか笑顔に見えて、すべてが夢であってほしいと願う。

夢じゃないよ

「!?」
 どこからか声が聞こえた気がした。
 頭を振り、雪奈を見る。
 やはり、鉄柱が彼女の体を突き刺していて、おびただしい量の血がじわじわと広がるように流れ出している。
「雪奈……? ウソだろ、雪奈……返事をしてくれ……いつもみたいに笑ってくれ……」
 こぼれ出る言葉。
 けれど彼女は動かなくて。
 目から何かがこぼれる気がした。
「ゆきな……ゆきなああああああああああああああああああああああああああ」


「っ!?」
 胸苦しさに目が覚める。
 どうしてか涙をこぼしていて、のどが詰まったように苦しい。
 部屋の中は暗くて、時間を確認すれば8月14日から日付が変わったばかり。
 既視感に思わず、背筋がぞっとした。
(また、14日なのか……!? また、雪奈が死んでしまうのか!?)
 そう考えると恐ろしくて仕方がない。
 俺は手に持っていた携帯で、普段打つことのないメールを雪奈に打つ。
 絶対に、死なせはしない。

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