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【学パロ】ハロウィンなお話

天使なミコちゃん見て書きたくなりました。
短めで、私はエルさんをどう見てるんだろうと思ってしまわれてもおかしくないです。
梨依音さんは子どもたちに甘やかしたいみたいです。
続き


「あらー…」
 王華高校の近所にある隠れ喫茶のエンジェルホーム。
 その店の奥さんの趣味に服作りがあり、いろいろ作っては娘分である雪奈や常連客に着せてみたり、時には売ることもある。
 そんな奥さん、梨依音・ミカエリスはカレンダーを見て呟いていた。
「確かあそこに…」
 なにかを思い出したのか、自室にあるクローゼットやタンスを探り出すのだった。


 翌日の夕方、
「こんにちはー」
「いらっしゃい。あら」
「こんにちは」
「こんにちはー!」
 ベルの音と共に雪奈の声が聞こえ、梨依音が入り口を見るとそこには普段見ない王華の生徒と小さな客人がいた。
「彩月君だっけ、いらっしゃい。その子は……」
「月宮ミコです」
 元気よくこたえた緑髪の少女ミコはニコニコしている。
「親戚の子なんです」
「帰る途中であって、私が誘ったんです」
 彩月エルが答え、連れてきた理由を雪奈がいう。
 にこにこしながら梨依音は3人をカウンターに座らせココア入れて差し出す。
 ミコはお礼を言って受け取り、エルも“すみません”と言いながらココアを受け取った。
「ミコちゃん、おいしい?」
「うん!」
「よかったわ」
 可愛い子がニコニコしながらおいしそうにココアを飲む、その姿に梨依音はほんわかとした気持ちになる。
 ふと、梨依音はあることを思い出して口を開いた。
「ねぇ、ゆきちゃん。今月末に子供会でハロウィンパーティやるって回覧板回ってきたんだけど、今年も配る予定?」
「はい。部活のみんなも手伝ってくれることになって、家庭部員も仮装しようかって話してるんです」
「はろうぃんぱーてぃ?」
 梨依音と雪奈の話を聞いて首をかしげるミコ。
 カシャンと音が聞こえたように梨依音は思えたが、気のせいだろうと気に留めなかった。
「10月31日の夕方に思い思いの仮装をしてお菓子をもらいに子供たちが列を作って回るの。そうだ、よかったら試食をお願いしてもいいかしら?」
 梨依音は一度奥へと向かい、少しして戻ってきた。
 その手にはジャックオランタンを模したクッキーが入っているカゴ。
「かぼちゃ味にしてみたの。どうかしら?」
 カゴを前に置かれ、それぞれ一枚ずつ手に取りパクリと食べる。
「あ、かぼちゃかぼちゃしてない」
「おいしいですね」
 素直な感想を述べる雪奈とエル。
 もくもくと食べるミコは2枚3枚と食べ進めている。
「あら、気に入ってくれたのかしら?」
「これ、すっごくおいしい!」
 目を輝かせ、口の周りに細かな食べかすをつけながらミコは叫ぶ。
 とっても素直でかわいい答えに梨依音は微笑みながらミコの口をおしぼりで拭う。
「ありがとう、ミコちゃん。あ、そうだ。いくつか衣装があるの。着てみない?」
「え、いや、そこまで――」
「いいの! 着たい!」
「わかったわ。ちょっと待っててね」
 キラキラ目を輝かせ、元気よく答えたミコにエルは言いかけた言葉を引っ込める。
 その代わりに携帯のカメラを立ち上げることを選んでいた。
「梨依音さん、楽しそう」
「ん?」
「梨依音さん、子供好きなんです。私も昔よくお手製の洋服貰ってて。ミコちゃんくらいの子が来ると嬉しいみたいなんですよ」
 今の光景に懐かしさを感じているのか、雪奈は眼を細めながらエルに説明する。
 ふーんと相槌しながらもエルはうきうきしているミコを見ていた。
「おまたせ。はい」
 と梨依音が持ってきたのは数着の衣装だった。
 魔女に小悪魔、天使にシーツのお化けと種類は様々。
 ちょうどカウンター裏が良い目隠しになるのでそこで簡単にお着替えをすることになった。
「魔女もかわいいけど、小悪魔もまた……」
 いくつもの衣装を着ながらエルはカシャンカシャンと衣装を着こなすミコを撮影する。
 その姿を言うならば、

『何この天使!』

 を体言しているように見えた。
「先輩、携帯から煙出てますよ」
 雪奈が苦笑いをしながらエルにいう。
 ミコのあまりの可愛さに写メを取りまくるエルだった。

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