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離別

ちょっと死にネタ書きたくなった。
謎シチュなのはいつものこと。
いつか書きたかった、本編終了後の転生ネタで使いたかった。
続き
 広い荒野に雨が降っている。
 その中に一組の男女がいた。
 銀の髪を持つ長身の男と茶の髪を持つ小柄な女。
 女は倒れており剣で腹を貫かれたのだろうか。
 彼女の下には紅い水たまりができており、腹部は真っ赤に染まっている。
 口元からは紅い筋が流れ、浅い呼吸で肩を揺らしていた。
 男は女の名を呼びながら自身が血に濡れていることも気にせず、彼女を抱き起こして手を翳していた。
 血の量や状態から、助かる見込みはほぼ無い。
「ユキナっ! たのむ、死なないでくれ!!」
「……く……」
「ユキナ!!」
 男のかざす手からは、癒しの魔法が放たれていた。
 しかし、女の負った傷を癒すにはあまりにも弱い。
「ごめ……ね……」
 掠れた声で女は男の名を呼び、手を男の頬に伸ばしながら何か言葉を残して、意識を失った。
だらりと腕が落ち、重みが男の腕に掛かる。
「ユキナ? なぁユキナ!」
 男は事切れた女を呼び続けた。もちろん反応は無い。
「ウソだろ……? 嘘だって言ってくれよ……! ユキナ!!」
 何度呼びかけても、どれだけ呼びかけても、女は呼び返すことはなかった。
 ぽたり、ぽたりと男から流れ出た雫が女の顔をぬらす。
「うわあああああああああああああああああ」
 男の咆哮が、辺り行ったに響き渡った。

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