誕生日のお祝いをしたく、時乃姉妹へのお祝い話を考えてみました。
が、遅刻してしまいました(滝汗)
薄っぺらい内容ですが、愛はこもってます。
これからも雪奈と仲良くしてください!
嫌な定期試験が終わり、冬休みも始まった12月24日。
冬休みでも活動を行う部はいくつかあり、 雪奈や時乃姉妹が在籍する家庭学部もクリスマスということで、ケーキを作ろうと調理室に集まっていた。
「さーて、今日はクリスマスの定番、ブッシュドノエルを作ります」
家庭科部部長の薙澤(3年)が号令をかけると部員たちは「はーい」と答える。
もちろん時乃シロ、クロの姉妹もこの場にいるがいつも一緒に居る雪奈の姿がない。
「ねぇクロ。雪奈先輩いないね」
「あ、ほんとだね。どうしたんだろうね」
「あぁ。時乃姉妹。今日、雪奈は用事でこれないって言ってたわよ。それでも大丈夫?」
部長の一言に、二人は顔を見合わせて「大丈夫です!」と大きな声で答えた。
時間は経ち昼を超えたころ、それぞれ無事にブッシュドノエルを作り上げていた。
双子たちも周りに支えられながら、どうにか完成させていた。
「みんな、無事に完成したみたいね。ケーキは今食べてもいいし持ってかえってもいいわ。ただし、持ち帰るなら直帰しなさいね」
『はーい』
「それじゃ、持ち帰る組はこっちに来て。箱と保冷剤渡すから」
何人かの部員が持ち帰ろうとケーキを持って部長のそばへと向かう。
シロとクロはどうしようかと考えていると――
ヴーーと同時にシロとクロの携帯がなる。(もちろんマナー設定)
顔を見合わせ、シロが携帯を開くとメールが来ていた。
「あ、雪奈先輩だ」
「何々?」
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From雪奈先輩
Sub ごめんね(汗)
今日は行けなくてごめんなさい(;ω;)
もう部活は終わったかな?
時間があったらエンジェルホームに寄ってほしいんだけれど…
大丈夫かな?
---END---
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雪奈からのメールに二人はまた顔を見合わせる。
答えなど、考える間もなかった。
「あー…大丈夫かな。二人の予定聞かないで送っちゃったけど…」
そう言ったのは、腰にエプロンをつけた雪奈だった。
エンジェルホームの厨房の中を右往左往と歩いている。
「心配することないわ。だって、クリスマス会やるって話してるんでしょ?」
そういったのは、カウンターに皿を並べる梨依音だった。
雪奈のいる厨房内には店のマスターであるジーベルが調理をしてる。
「それが、言ってないんです…ほかのみんなには言ったのですが…」
シュンとうなだれる雪奈。
彼女のいう他のみんなとは、時乃姉妹を除く狼兄弟と佐伯双子とその従姉、風紀委員長とその友人、そして彼女の恋人を指す。
「あらあら。どうして言わなかったの」
「だって、あの子たちの誕生日、ちょうど今日だから……」
「なるほど、驚かせたかったのね。大丈夫、きっとあの子たちは来るわ」
不安顔の雪奈に梨依音は微笑んで言う。
不安顔から驚き顔に変わるのを見て梨依音は“大丈夫よ”というだけだった。そして――
カランカラン
来客を知らせるとともに“こんにちはー”と2人分の声がした。
「雪奈せんぱーい!」
「見てください! ブッシュドノエル作ったんですよー」
入ってきたのは、時乃姉妹で、シロの手には小さな箱がある。
部活で作ったブッシュドノエルが入っているようだ。
「今日作ったやつね。見せて見せて」
シロから箱を受け取り、そっと箱を開けてみる。
3人分ほどの小さなブッシュドノエルが入っている。
「おぉ。上手にできたね!」
「はい! 先輩たちに手伝ってもらいました!」
「ちょっと失敗しちゃったけど、なんとかできました!」
「よかったよかった。あ、二人に渡したいものがあるんだけど……まず、このケーキ、冷蔵庫に入れておいても大丈夫かしら?」
「え、食べないんですか?」
預かったケーキをしまおうとする雪奈に、クロはいう。
「これはご両親と食べてね? 私からは……」
そういって雪奈は二人のケーキを冷蔵庫に入れると、別の箱を二人の前に持っていく。
「はい、開けてみて」
促され、言われるままに箱を開けると――
「「うわー!」」
二人分ほどの、大きなイチゴの乗ったショートケーキ(ホール)が入っていた。
「クリスマスとかぶっちゃうから、食べ物にしちゃったけど……
シロちゃん、クロちゃん、誕生日おめでとう!!」