前から書いてみたかったハプニング系のネタです。
学パロかつあの夫婦の家だからこそできるネタですねww
心境書かなかったけど、書けたら書きたい。いつか←
それは暑い夏日のある日のこと。
雪奈は帰る途中に突然の豪雨に見舞われてすぐ近くまで来ていた喫茶「エンジェルホーム」に駆け込んだ。
「いらっしゃい……まぁ雪ちゃん!」
「こ…こんにちは、梨依音さん」
「まぁまぁ、ずぶ濡れじゃない。ゲリラ豪雨にあったのね。今お風呂入れるわ。あなたー、バスタオル出してー」
ずぶ濡れの雪奈を見た梨依音は“あらあら”と言いながら、奥に居るジーベルに声をかけて自身はお風呂を沸かしに中へ入っていく。
水が滴り落ちるほどに雨を受けてしまった雪奈はとりあえず鞄をおろして、鞄からハンドタオルを取りだし、拭ける部分を拭いて鞄の中を確認する。
(よかった、中は濡れてないや)
鞄をかばって走って来たらしく、中は濡れずにすんだらしい。
「なんだ、一体……おや、雪奈ちゃん。あぁなるほどな」
奥からバスタオルを持って出てきたジーベル。
雪奈の存在に気づき、すぐに梨依音の言葉を理解したらしく、バスタオルを頭の上から被せてわしゃわしゃと撫でるように彼女の髪を拭く。
「すぐに風呂が沸くだろうから。少し待ってなさい。何か飲むかい?」
「あ、はい。ありがとうございます」
ジーベルはカウンターに入り、温かい紅茶を作り始める。
バスタオルでとりあえず全身を拭くが、水が滴り落ちるために動こうにも動けない。
「ん? あぁ、後で拭くから座りなさい。疲れるだろう?」
「あ、や、でも……」
「気にしない気にしない。だから座りなさい」
「大丈夫よ。雪ちゃん、お風呂沸いたから入って、着替えは置いておいたからそれを来て頂戴。あ、制服は預かるわね」
「あ、はい」
梨依音に案内され、風呂場へ向かう雪奈。
制服を預け、お湯のたっぷり入った浴槽に身をいれる。
「う~~ん、きもちい~~」
雪奈がゆっくりとお風呂を堪能しているころ、豪雨だった雨は止んでいた。
そして、また一人、ずぶ濡れにあってしまった人が入ってくる。
「いらっしゃい、おや里玖。ずぶ濡れだな」
「こんにちは……部活終わって学校を出たところで、このざまです」
「雨がすごかったもんな。今タオルを取ってこよう」
「いえ、風呂を借りてもいいですか?」
「構わないが……あ、いや、今は……」
「梨依音さん。ちょっと風呂借りますね」
ジーベルの言葉を聞かずに、里玖は別室にいた梨依音に声をかけて洗面場へ向かう。
(ん? 女物の服…? 梨依音さん、入るつもりだったのだろうか)
入口近くに置いてある服を見て、首を傾げる里玖だが気にせずに自分用―よく遊びに来るため梨依音が準備した―を取り、浴室の扉を開ける。
「? 梨依音さん?」
「ん?」
扉を開け、中に入ろうと里玖が一歩足を入れると声がしてそちらを向く。
また、湯につかっていた雪奈は扉が開いたことに首を傾げてそちらを見る。
お互いの視線はばっちりと合い、一瞬の沈黙が――
「きゃあああああああああああああああああああああ!!!」
「うわあああああああああああああああああああああ!!!」
互いの盛大な悲鳴?が聞こえたのは言うまでもない。
それから数日、里玖と雪奈は恥ずかしさのあまりに顔をあわすどころか会うこともできなかったとかなんとか。
おわり